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るためにも、また、人間のように新脳(大脳皮質)の発達していない動物の場合の生体の生理的反応を比較のため調査しておくためにも、動揺暴露時のニホンザルの脳波の計測の意義は大きい。この実験に関しては、大阪大学人間科学部比較行動学講座(糸魚川直祐教授)の協力を依頼した。
4)計測結果の分析・解析・評価
動揺暴露実験時の計測項目は
?動揺刺激、
?生理的反応、
?生化学的反応、
?心理的反応
と多岐に亘る。これらの計測項目の全てを同一研究機関で解析評価することは不可能であるため、以下のような分析・解析評価の手順をとった。(()は研究協力代表者)
a)動揺刺激、脳波、心電図、心理的反応、表情……大阪府立大学
b)血液・尿検査、ホルモン動態検査……聖樹会総合検診センター
c)血液を用いた免疫機能、遺伝的要因の検査……大阪大学医学部環境医学講座(森本兼曩教授)
d)日本猿の脳波の分析……大阪大学人間科学部比較行動学講座(糸魚川直祐教授)
5)被験者に対する配慮
本研究は人間を研究の対象として行われる。従って、研究遂行上必要である動揺暴露実験に関しては、被験者として協力を依頼する人々の了解を必要とする。この研究を契機に、大阪府立大学工学部に研究倫理委員会の設置を申請し、認められた。そこで、研究倫理委員会の指導の下に、被験者の「Informed concent」に基づいて研究が実施された。本研究の重要な部分である動揺暴露実験の被験者には18〜25歳の男子大学生の協力を得た。6)基礎研究実施の具体的手順については、各項において述べる

図2.2.1−1 乗り物酔いの発症メカニズム解明のヘアプローチ
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